「 船乗りをしている 山梨さんがお見舞いをくれたよ 」
そういって父は包みを開 けた
中から普通の唐辛子より大きな唐辛子が出てきた
父と二人で枕を並べて療養している時代だ
「 山梨さんは西式という健康法をしていてな 」
「 生食を進められた オクラという栄養豊富な野菜だそうだ」
オクラをおろし金で摺りおろし ご飯にかけて生で食べた
青臭かったが 山芋のような感 触だった
その食感を味合う度に 少年の頃を思い出す
結核の薬 は無かった ストマイもまだ無かった
病院で知り合った患者 は次々と喀血して
この世を去っていった
僕 は20才まで生きられるとは思えなかった
それが詩を書くきっかけだった
その翌年に我が家の裏の畑にも
オクラの花が咲いた
今 泉の水が滾々と湧き出るように
詩が湧いてくる
それもオクラを初めて食べ
オクラの花の咲いた少年時代に
病魔と闘った経験が
僕の詩の源泉であると思う
(2005・7・2)
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この詩はおけら総研に捧げます
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- 2005/07/02(土) 10:40:25|
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