夕刊の配達中のことであった
植木の根元に鳩の羽根が散っていた
小学生の女の子が「 可哀そう 」といって鳩の羽根を見ていた
「 おじさん可哀そうだね 」と涙ぐみ恐る恐る触っていた
団地はゴミの整理が進んで
カラスの食べ物が少なくなったのだろうか
以前カラスに攻撃されている鳩を見た事があった
駅のホームにも鳩の羽根が散っているのを見た
生まれて来たものは必ず受けなければならない この現実と・・
小学生の女の子は初めて直面した
僕もこの生死の問題を 横目で見過ごすような生き方をしてきた
真正面から見据えることを避けてきた
あと何年 いや あと幾日 生きられるのかと考えたら
遣る瀬無く 切ない そして恐ろしい
真剣に考えたら一日一日を無駄に出来ない
だが人生には無駄が付き物だ
僕の過去は無駄の連続だ
この無駄を惜しむ気持ちは一向に無い
「 一日一日を無駄に出来ない 」
いや「 無駄があってもいいんだ 」と
相反する考えに僕は今もって整理がつかない
まさしくハムレットの心境だ
生ある者 誰人も漏れる事なく行進している
それぞれ己の最後の日に向かって
目に見えないが それは確実
少女と残された鳩の羽根を見つめながら思った
いずれにしても生死を見据えて
日々健康に送りたい
(2005・6・20) でんどう三輪車
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- 2005/06/20(月) 00:28:34|
- コラム「でんどう三輪車」|
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