脚白し先き行く少女梅雨に濡れ
梅雨に濡れ先き行く少女脚白し
脚白く追い越す少女梅雨に濡れ
俳句とは上五と下五と入れ替えるだけで
趣がまったく違ってしまう。
俳句の面白さであり難しさでもある。
※ 脚白し先き行く少女梅雨に濡れ
と『脚白し・・』を前に持ってくると
少女の脚が強く印象に残り
白い足を見せて追い越していく少女も
雨に濡れていくのだなー・・という感じ。
※ 梅雨に濡れ先き行く少女脚白し
と『梅雨に濡れ・・』を前に持ってくると
雨に濡れていく印象が強い。
後姿を見て足も白いなーという感じ。
また文語と口語とでは・・俳句としての重みが違う。
文語のほうが格調が高く・・口語は平易で親しみやすい。
最初は 脚白く追い越す少女梅雨に濡れ
として最後に梅雨に濡れ少女駆けあし脚白く
と文語や口語に推敲してみた。
夕食を済ませてポツポツと小雨の降る中を
歩け歩けと暗い街灯の下を歩いていたら
足早に中学生か高校生かと思われる
小柄な少女が追い越して行った。
素足が異様に白く見えたということである。
※ 秀句鑑賞
乳母車夏の怒濤によこむきに 橋本多佳子
『乳母車・・』は母性愛に満ちた
女性ならではの句である。
『・・夏の怒濤によこむきに』は
自然の厳しさが対照的で
『に』の使い方が絶妙である。
この俳人の気性の激しさが窺える。
20年前俳句を始めたころに
痺れた俳句の一句でもある。(2015・6・30)
橋本多佳子の俳句
七夕や髪ぬれしまま人に逢ふ
夫恋へば吾に死ねよと青葉木菟
月光にいのち死にゆくひとと寝る
白桃に入れし刃先の種を割る
雄鹿の前吾もあらあらしき息す
雪の日の浴身一指一趾愛し
雪はげし抱かれて息のつまりしこと
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- 2015/06/30(火) 23:38:15|
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