歯がゆくて空をつかむか葛の蔓
宙泳ぐ葛の蔓かとふと思う
道ふさぐ葛の蔓あり荒れ地かな
いかにして生き伸びるのか葛の蔓
今はただ生きることのみ葛の蔓
友がいて今日も楽しや葛の蔓
つとむ
※ 秀句鑑賞
人間は生きる時間のうちに
何を見・何を喜び・何を悲しんで来たか
いわば人間の生の時間を見つめようとした
・・俳人森澄雄の俳句である。
除夜の妻白鳥のごと湯浴をり
妻がいて夜長を言へりさら思ふ
枯るる貧しさ厠(かわや)に妻の尿きこゆ
ぼうたんの百のゆるるは湯のやうに
冬の日の海に没る音をきかんとす
億年のなかの今生実南天
木の実のごとき臍もちき死なしめき (夫人への追悼句)
森 澄雄
戦争でボルネオから生き返ったのは
2000人の内8人であった。
森澄雄は生き返った1人である。
ゆえに・・これほど妻や子を愛して
句を詠んだ人はいないと聞く。 (2015・6・25)
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- 2015/06/25(木) 01:36:08|
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