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走れ!でんどう三輪車
齢70にしてブログなるものに挑戦!人生まだまだこれからですよね(^^)//。俳句や詩歌を趣味として又釣り人として、 、、、、、はたまた「でんどう三輪車」として、日々の出来事を綴ります。

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 瞳  いのうえ つとむ

団地の集合ポストに夕刊を配達していると突然3~4歳か?と思われる子供が階段を降りてきた。
僕を見上げて「おじいちゃん」と透き通る声で男の子は突然声を掛けてきた。
「今日は」と挨拶すると「おじいちゃん」と二度声を張り上げた。
「今日は・・でしょ」と若い母親は挨拶してから子供をたしなめるように言った。
最初「おじいちゃん」と言われた時は何故かこの子の顔が少しきつく感じられた。
この子の顔にも瞳にも小さな子が甘えるような人懐こしさを感じなかった。
ただ透き通る綺麗な瞳だなと感じた。
二度目に「おじいちゃん」と言われて、「あ!・・この子はダウン症?」とふと思った。
ダウン症といっても良く見ないと分らないほどであった。
次の階段の集合ポストに夕刊を入れに歩き出すと「おい待てー」とその子は走って来て僕を追い越しやがて母親の所に走って行った。
団地の殆んどの母子は顔見知りなのにこの母子は一度も見かけたことの無い初対面の親子であった。
「この若いお母さんも苦労をしているのだろうなー」と思いながら親子を見送った。
それにしても「おじいちやん」と知らない子供に言われて「おじいちゃんに見えるのかなー」と寂しく思った。
帽子を被り風邪気味でマスクをかけていて眼だけが見えるのに年寄りに見えたことが気に掛かった。
自分が子供の時はやはり60代の人は「おじいちゃん」に見えたことを思い返した。
75歳になって「おじいちゃん」と子供に声を掛けられて当然だなと思いなおした。
そして見上げる子供の澄みきった瞳がしばらく僕の瞼を占領した。
(20010・11・13)




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  1. 2010/11/14(日) 00:19:24|
  2. 小説・エッセイ|
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