駅に着くと駅前から市民病院行きのバスが出ていた。
市の中心地から街外れの畑の中に移転てもう10年ほどになると聞いている。
9階建ての立派な市民病院だなと始めて来て思った。
・・8階の病室に向かいながら「経営はどうなのかな」とふと思った。
市民病院を閉鎖して・・市長選挙をやり直した市もあったのでふと思った。
「余命一年だ」と聞いて田舎に来た時は・・元気に裏山の公園の山頂に御油側から登った。
東海道の有名な『御油・赤坂』である。
ちょうど生家の真裏に御油がある。
山の麓まで住宅が建ち並びその建売住宅の間を抜けて公園の駐車場まで車で行って後は歩きだ。出来たばかりの公園の舗装された道だが結構きつい坂道だった。
其の坂道をドンドン兄は自分より先に登り、その兄の背中を見て「まだまだ元気だなー」とその時は思った。
山頂に展望台があり三河湾を一望できて夕日に輝く海を眺めた。
豊橋の街・豊川の街・東三河全体を眺められて愛知県がこの低い山一体を公園にしたことも理解できた。
少年のころメジロ籠を持って毎日のように登った山・・通称『三角峠』と言っていた山だ。
其のころは何処にどんな木があってどんな石があってとみんな記憶していた。
遠く過去を思いながら兄夫婦と妻と4人で写真を撮った。
それから半年あまり・・急に病が悪化したようだ。
「今は元気に見えても医者が余命一年といえば・医者の言う事は当りだよ・・急に悪くなるからねー」と友達が話してくれたことを思い出した。
個室でトイレにも行けない病状である。兄は「向きを変えて・・便が出た」と3分おきぐらいに看護士さんを呼んでいた。
其のたびに「どうしましたか」と来て向きを変えたり、オムツを見て「未だ出ていないよ」と言ったり、出ていればオムツを替えていた。
・・「良い看護師さんたちだなー」と若いのにけなげに看病をする姿を見て感心した。
この田舎の地方都市の市民病院にも素晴らしい『白衣の天使』に出会えたことを・・心の日記に記しておこう。
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