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走れ!でんどう三輪車
齢70にしてブログなるものに挑戦!人生まだまだこれからですよね(^^)//。俳句や詩歌を趣味として又釣り人として、 、、、、、はたまた「でんどう三輪車」として、日々の出来事を綴ります。

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江ノ島にて・そして母

  江ノ島にて  いのうえ つとむ
  
江ノ島の橋は初詣の人の行列が延々と続いていた。
空は晴れ渡っていたが風が強く少し寒かった。
橋の上は焼きとうもろこしや烏賊やおでんの屋台が並んでいて鳶が何十羽も頭の上を輪を描いて飛んでいた。
平成20年元旦の事である。
島の反対側は崖の下が波打つ海なので良いかと思ったが「江ノ島の高い石段を上るのが辛いから」と足を痛めている妻の事を考え又初詣で込み合う石段を登って行くのを避けて諦めた。
そこで橋を渡って右側に出てみたが風が向かい風で『母の散骨』には不向きだと思った。
そして今度は左側に行ってみた。
混雑するみやげ物の店の裏の民宿が並ぶ静かな細い道があった。
其処を足が疲れるほど歩いて行くとヨットハーバーがあり陸に沢山のヨットが揚げられて並んでいた。
又しばらく歩きヨットハーバーの横の広い駐車場に出た。
其の駐車場を横切り堤防に登ったのだが柵の下に大きなテトラポットが折り重なっていて波打ち際には程遠かった。
先を行けば海に出るかと歩き続けたが「危険」という看板があり行き止りになっていた。
仕方なく元の右側の波うち際に行くことにした。
歩いている途中に妻が「あそこはどうか」と小さな公園のような休憩所を指差すので行って見ると其の先に散骨にころあいの場所が見つかった。

母が亡くなったとき分骨してもらい富士山の裾の富士桜公園墓地に父と娘の陽子が眠る一緒の墓に納めた。
だが葬儀屋の友人に分けていただいた小さな骨壷に一握りほどどうしても入らなかったので箱に残したまま入れてあった。
母と一緒にいてもいいかと思って身近に置いていたが元旦の夜明け前に初夢を見た。
夢そのものは・・はっきり記憶にないほどのたわいのない夢であったが、生前母と話しているときに「海に散骨するのも自然に帰っていいよなー」と言っていた母の言葉を思い出し自然に返してあげようと思った。
・・・・さて海となると船で外海に出るか、何処がいいかと考えた末・・「江ノ島が近くていいから」と急遽・妻と江ノ島に出かけたのである。

江ノ島の冬の海は夏とは違い夕日に染まり綺麗な波打ち際で底の石が見えるほど透き通っていた。
最初妻がビニール袋から取り出して散骨した。
粉雪がさらさらと舞うようにも思えた。
そして「お母さん左様なら」とつぶやいて自分が交代して残りを海に返した。
寄せ来る波に沈んで消えていくのを
      ・・散る桜の花のように見送った。(2008・1・1)




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  1. 2008/01/02(水) 03:24:48|
  2. 小説・エッセイ|
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