君の唇も紫
僕の唇も紫
桑イチゴを夢中で食べた
少年時代
骨の髄まで 心まで
紫色に染まってた
田舎の水で育ち
田舎の空気で育った
いつまで経っても
僕は田舎者
それが唯一の誇りかも
(2006・5・24) NO・335
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2005年の作品・『桑イチゴの郷愁』
桑イチゴは甘かった いのうえ つとむ
葦の中の柔らかい芹を摘んでいた
葦の中の芹は葦に囲まれて
真っ直ぐに伸びている
直射日光があまり当たらないので
五月のこの季節になっても
まだ柔らかい
ふと、頭上を見上げると 桑の実がなっている
桑の実は小粒だが いっぱいなっている
休耕田の荒地の この桑の樹は野生化して
桑の葉も桑イチゴも小さい
ところどころに 桑の樹が残っているのは
桑畑があったのだろう
濃い紫色の桑の実は 甘くて美味しい
小鳥になったような・・・錯覚で
小鳥になって・・・ 自然の中で食べるのは 特に美味しい
八百屋さんの店頭に並んでいる どの果物より美味しい
その美味しさは比較にならない
自然がいっぱい詰まっているから
甘い桑イチゴを食べていると
幼少の頃を思い出す
蚕棚に囲まれて
練炭の強い匂いの中で育った
ざわざわ ざわざわ ざわざわ
蚕が桑の葉を食べる音を聞いて育つた
小さな蚕が
だんだん大きくなり・・・やがて透明になり
口から生糸を吐き出し 真っ白な繭玉を作る
真っ白な繭玉の中から…
くず玉を取り出し・釜に入れて煮る
その匂いが・・・また・たまらない
繭の中から こげ茶色の蛹を取り出し
自家用の絹糸を作る
生糸を糸車に絡ませて 絹糸を作る
からころ からころ からころ
糸車を回す
母のお手伝いで 糸車を回す
桑イチゴは 甘く美味しい
八百屋さんの店頭に並んでいる
どの果物より美味しい
比較にならぬほど美味しい
自然がいっぱい詰まっているから
思い出がいっぱい詰まっているから
(2005・5・24)
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- 2006/05/24(水) 03:25:51|
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