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走れ!でんどう三輪車
齢70にしてブログなるものに挑戦!人生まだまだこれからですよね(^^)//。俳句や詩歌を趣味として又釣り人として、 、、、、、はたまた「でんどう三輪車」として、日々の出来事を綴ります。

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往く年・来る年・有り難う!

20005年から2006年へと
今変わらんとす!
心に響くありのままの詩を心がけてきて
皆さんの応援に支えられ
今・新しい年を迎えます
有り難うございました
さあ!・・日の出と共に!
新たな出発!

ファイト! ファイト! ファイト!
気合だ!  気合だ! 気合だ!

頑張ろう!


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  1. 2005/12/31(土) 23:38:44|
  2. 日々のできごと|
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  4. コメント:20

風よ

 風よ  いのうえ つとむ

風よ
窓を開けたら
小鳥の囀る小枝から
頬をそっとなぜて行ったね

風よ
山茶花を散らし
窓の下の芝生を
薄紅色に染めて行ったね

風よ
伊豆の岬の陽だまりで
水仙の花が
小さく揺れていたね

その優しい風が
台風でもないのに
どうして
あんなに暴れたの

電車を押し倒されて
吹雪の中で脱線し
多くの人が命を落とした
多くの人が怪我をした

風よ
その悲しい爪痕が
心に疼き
凍りついてしまった

横浜の空は
晴れているけれど
今 何も歌えない
声を出すことも辛い

 (2005・29)
(最上川橋梁近くの脱線事故で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに怪我をされた人たちの回復をお祈りして)


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  1. 2005/12/29(木) 01:13:24|
  2. 私のうた|
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冬の海

 冬の海  いのうえ つとむ

青い空
青い海
風は強く厳しく
灯台は白い肌を潮風にさらし
岸壁の岩に白波が舞い上がり
マグロ船が何十隻も
沖で錨を下ろしている
冬の海

岬の岩肌に咲く
水仙の花よ
ツワブキの花よ
冬の日を浴び
潮風の中で
鯵や烏賊の干物を干して
活きる
漁師の女たちのように
たくましい
海辺の素朴な花たちよ

可憐な小さい花が
風に揺れている

(水仙の岬・伊豆の爪木崎にて)
(200・5・12・23)


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  1. 2005/12/24(土) 21:47:14|
  2. 私のうた|
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レモン一つ

 レモン一つ いのうえ つとむ

朝から日本晴れだ。雪国では大雪で大変だと聞く、横浜は温暖な気候でめったに雪は降らない。いつもメール便を配達する家に蜜柑や夏みかんや珍しい柑橘類を植えられた庭が在る。
「ああ!今年も立派なのが沢山実りましたねー」
「オレンジ?いやレモンだったよねー」
「そうレモンよ!レモンよ!よろしかったら一つ持っていくかね」
そう言いながら庭の草取りをしていたお婆ちゃんは鋏で大きいのを一つ切ってくれた。
「これが良いね、葉っぱをつけておくからね・・一週間ぐらい飾っておいて熟してきたら種を取ってジャムにすると良いよ」
「有り難う・・うれしいなー」
「奥さんにあげなさい」
笑っている顔は母を思い出すほどの年齢に見える。
頂いて手にしてみると、このレモンは夏みかんより遥かに大きい、洋ナシのような形をしている。
昨年の今頃だったと思う。
「この蜜柑見たことがないけれど何の蜜柑ですか」と聞いた。
「これレモンよ。ここへ越して来た時に植えたの・・苗を頂いて植えたのよ!こんなに立派な木になったの」その時も庭の草取りをしておられた。
毎日のようにレモンの木の家の前を通るのだが、時の経つのは早いものだ。レモンが今年も冬の日を浴びて黄色くたわわに実っている。もうお正月も目前だ。
庭で花の手入れをしている人、掃除をしている人、また赤ちゃんを乳母車に乗せて買い物に行く人、子供の手を引いている人、遇う人にその度事に僕は挨拶をして配達をしている。
挨拶を返してくれる人、知らん顔の人、それぞれだが、出会う人が何故か只すれ違っただけのような気がしないのだ。
出会いのこの一瞬が深い縁が在るような気がしてならないのは年のせいかもしれない。
レモンのお婆ちゃんもやはり声を掛けずにはおられなかった。
月日を重ねて一年経って「一つ持って行くかね」と言われるようになったのだ。まさか頂けるとは思って無かったので、今日はそれが非常にに嬉しいのである。
また新しい人間関係が出来た。人との関わりがこんなに温かいとは何故か嬉しい。いや友達が出来たのかもしれない。

(2005・12・22)


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  1. 2005/12/22(木) 23:03:52|
  2. 小説・エッセイ|
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枯葉

  枯葉  いのうえ つとむ

枯葉よ
小枝に残りし一葉
枯葉よ
木枯らしに揺れながら

ゆらゆら
ゆらゆら

風のなすまま
揺れながら
離れることの出来ぬ
もどかしさ

母よ
貴女が空に帰られても
いつまでも
忘れることはありませぬ

(2005・12・21)


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  1. 2005/12/21(水) 20:26:25|
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雪国の友

 雪国の友  いのうえ つとむ

今日も晴天
日本晴れ!
ここのところ
雨も雪も降らない

冬の日ざしは
暖かいけれど
北国の風の便りか
吹く風冷たく肌を刺す

雪は深々と降り積もり
雪国の生活は
さぞや寒かろう
貴女は不自由な体

かっては
ススキノの女王と言われ
街を闊歩して歩いた
華やかな歌姫

ビルを建て
キャバレーもホテルも営業したが
大きな病魔が襲って来て
その栄華もすべて奪われ失った

ああ!「建設は苦闘・破壊は一瞬 !」
この恩師の言葉道理だと貴女は笑った
「華やかなる時・人は付いて来た」
「落ちぶれば・ほとんど去った」

「横浜は暖かいので移住したい」と
言っておられたが
葉書の結びに記してあった
「札幌が好きなので離れられない」と

(2005・12・20)
(札幌の友に贈る)


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  1. 2005/12/20(火) 10:50:04|
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星からの旅人

 星からの旅人 いのうえ つとむ


清きこの夜
祈り静かに
空を仰げば
天の川永久に流れて
満天の星空
ああ!
東の空の
輝く星が見えますか
黄色い星は
それはあなたのふるさと
人はみな
星からの旅人
街の景色は仮の宿

清きこの夜
祈り静かに
空を仰げば
天の川永久に流れて
満天の星空
ああ!
西の空の
輝く星が見えますか
緑の星は
それはあなたのふるさと
人はみな
星からの旅人
山の景色は仮の宿

清きこの夜
祈り静かに
空を仰げば
天の川永久に流れて
満天の星空
ああ!
南の空の
輝く星が見えますか
青い星は
それはあなたのふるさと
人はみな
星からの旅人
海の景色は仮の宿

清きこの夜
祈り静かに
空を仰げば
天の川永久に流れて
満天の星空
ああ!
北の空の
輝く星が見えますか
赤い星は
それはあなたのふるさと
人はみな
星からの旅人
雪の景色は仮の宿

(2005・12・19)
(この詩はあゆみ先生のコメントにお答えして・あゆみ先生に贈る)


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  1. 2005/12/19(月) 07:41:58|
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似顔絵

 君の似顔絵  いのうえ つとむ

小さな旅の帰りであった
電車の中でノートに描いた
君の似顔絵
電車が揺れるのと
久しぶりなので
思うとうりにペンが走らない
意志の強い黒い眉と
情の暑い長い睫毛
上手く描けないので
四つ折にしてたたんだ
君が欲しいというので
君に渡した

ああ!
僕の心の中のノートにも
スケッチしたけれど
いつの日か
いつの日か
時間をつくってよね
暖かい窓辺で
ゆっくり描きたいから
君の似顔絵

小さな旅の帰りであった
向き合う座席でノートに描いた
君の似顔絵
わからないようにと
気を使うので
思うように線が描けない
端正で綺麗な鼻筋
口紅もつけない唇
上手く描けないので
四つ折にしてたたんだ
君が欲しいというので
君に渡した

ああ!
僕の心の中のノートにも
スケッチしたけれど
いつの日か
いつの日か
時間をつくってよね
暖かい窓辺で
ゆっくり描きたいから
君の似顔絵

(2005・12・18)
(この詩は心の友みかさんに贈る)


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  1. 2005/12/18(日) 08:25:24|
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満月

 満月  いのうえ つとむ

月よ
月よ
今夜は満月
銀色に輝く月よ
もし神と呼んで良いのなら
私の神と呼ばせてください
街は師走の十五日

あわただしく
車の音が聞こえるけれど
ここは静かな街外れ

月よ
月よ
今夜は満月
銀色に輝く月よ
もし愛と呼んで良いのなら
母の愛と呼ばせてください
街は師走の十五日

優しかった
母の声が聞こえるけれど
ここは静かな街外れ

(2005・12・15)


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  1. 2005/12/16(金) 05:52:54|
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ゆっくり・ゆっくり

 いのうえ つとむ
 
人生も旅
・・・・・・・

人生の旅
・・・・・・・

ゆっくり
ゆっくり

種が芽を出し
大木に成長するように

桃栗三年・柿八年
杉桧は30年

お米も林檎も半年以上
手入れをして収穫出来る

都会の生活は急ぎすぎ
結果・結果と急ぎすぎ

巻き込まれるな
都会の歯車

急ぐな
急ぐなよ

人生の旅

(2005・12・15)
(この詩は親愛なるプチさんのコメントに寄せて、プチさんに贈る)


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  1. 2005/12/15(木) 08:16:17|
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光の中で

 光の中で いのうえ つとむ

木漏れ日が
苔の緑に降り注ぎ
杉の子が
桧の子が
名も知らぬ草木と共に
すくすくと
すくすくと
苔に抱かれて
背伸びしています

やがて
青空へ
梢を突き出し
大樹と成長していく
風に揺れる緑の枝が
瞼に浮び
想いは遠く
子供らの歓声が
聞こえて来る

朝の
光の中で

(2005・12・14)
(nicoさんの「光」に寄せて・nicoさんに贈る)


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  1. 2005/12/14(水) 05:31:27|
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白き木の実

 白き木の実 いのうえ つとむ

冬の日の
柔らかき陽射しを受けて
野辺の道の片隅に
名も知らぬ
白き木の実の
風にゆれ
こぼれ落ちても
小枝に残る実の二つ

双子とも
夫婦とも
想いめぐらす
師走の一時

(2005・12・14)
(この詩はnicoさんの「散歩」に寄せて・にnicoさんに贈る)



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  1. 2005/12/14(水) 03:45:22|
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 瞳  いのうえ つとむ

つぶらな瞳は何見ているの
遠い 遠い お空です

夕雲の好きな人がいる
雨の好きな人がいる

遠い 遠い お空です
遠い 遠い お空です

私は黒髪のお人形
私はおかっぱのお人形

(2005・12・13)

(この詩は雨ちゃんのお人形に寄せて・雨ちゃんに贈る)


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  1. 2005/12/13(火) 21:36:26|
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この道は

 この道は いのうえ つとむ 

赤い楓が風に散る
遙かに続くこの道は
いまだ知らない
その面影を
胸に描いて通る道

ああ!心の妻よ
泣くなかれ


銀に輝く昼の月
雲間に見えるこの道は
いまだ聞けない
その人の声
心で聞いて通る道

ああ!心の妻よ
泣くなかれ

(2005・12・13)
(この詩は雨ちゃんの「この道」に寄せて雨ちゃんに贈る)



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  1. 2005/12/13(火) 21:04:34|
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この道

 この道 いのうえ つとむ

さわさわ
さわさわ
風は穏やか

さわさわ
さわさわ
落ち葉は散りて

さわさわ
さわさわ
冬の日差しに

さわさわ
さわさわ
胸は騒ぎて

さわさわ
さわさわ
この道遠く

さわさわ
さわさわ
遙か館の

さわさわ
さわさわ
ひと妻恋し

さわさわ
さわさわ
逸る心の

さわさわ
さわさわ
このやるせなさ

(2005・12・13)
(この詩は雨ちゃんの「この道」に寄せて・雨ちゃんに贈る)


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  1. 2005/12/13(火) 08:43:58|
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小さな旅

 いのうえ つとむ

土曜の夜、話のついでに「疲れて足がしびれるので箱根の温泉に行って来る、疲れが取れるから・・行くかい?」とメールを送った。
すかさず、「行く!仕事が片付いたいたので明日は1日あいている」と返事が来た。10時に洋光台駅で待ち合わせと決めた。彼女は忙しい人なので土曜も日曜もまず空いていない。「行く!」という返事が来るとは思っていなかった。財布を見たら3千円だけしか入っていない。どこかに1万円札がないか探したが無い。待てよ?日曜日は郵便局も銀行も休み、カードが使えるだろうか?。妻は風邪で行けないと言うし、あいにく千円しか無いとも言う。「9時からならカードで引き出せる」と聞いて一安心した。待ち合わせを10時にして良かった。

日曜の朝になって9時半に妻と銀行に行きカードで軍資金が出来た。まだ早く寒いので駅前の喫茶店で待つことにした。
隣の席の青年がタバコをふかし煙をよけながら窓の外の駅に来る人たちを見ていた。ゆっくり来る人もいるが大方急ぎ足だ。日曜だというのに走って来る人もいる。
会社に勤めているときは朝の出勤は忙しかった。1分2分が勝負だった。よく走ったものだと思いながら窓の外を見ながら待った。

「私も毎朝戦争よ、これだけは学習できないのだなー。走るんだー」
と言う彼女と笑いながら駅に向かった。改札を入ってから「みかちゃんは常に切符を使わないから落とさないようにね、僕はこの前出る時に切符が見当たらなくて困ったよ」「そうね落とさないようにね」と話しながら階段を下りた。

大船で乗り換える時切符を念のため調べた。
「あれ!無い。切符が無い!確かに入れたはずなのに無い」みかちゃんはポケットもかばんも見ても何処を探しても無い「みかちゃんお財布と切符を入れたのを見たよ」「仕方が無い、きっと後になってから出てくるんだよね」そう話しながら熱海行きの電車に乗った。

電車は空いていて二人とも並んで座ることが出来て話が弾んだ。「うちの奥さんはね、猜疑心というのが無いよ、嫉妬もしないよ、普通いくらおじいさんとはいえ若い娘さんと日帰りの温泉に行くと成れば焼きもちで大変だよ」「そうだよねー・奥さんは心が綺麗なんだなー」それから、もっぱらブログの話が話題だった。話に夢中になって乗り越してしまい終点の熱海駅についてしまった「終点が熱海でよかったね、沼津だったら何処まで行ったかね」それほど話が弾んで又小田原まで逆戻りした。

「本間寄木美術館に寄りたいけれど、体験教室があって作りたいんだー」彼女はインターネットで調べてきたのだ。
小田原から湯元の間の入生田駅から10分ほど歩いて少し大通りの中に入った目立たない所にあった。

教室の予約時間前に美術館で説明を聞きながら江戸時代からの精巧に出来た寄席木細工の大小様々の工芸品に見とれていた。その美しさに感心するばかりだった。
教室ではオリジナルの模様のムクコースター作りを体験した。菱形の柄の違った寄木が12枚セットになっていて、思いのままのデザインで組み合わせる楽しい工作だ、子供心に帰って作った。話し好きの先生の話を聞きながら楽しい思い出になった。

「温泉は熱めだけれど大丈夫?」「うん大丈夫」「出る時間だけ決めよう、5時45分」2時間の長風呂、彼女は僕のペースに合わせてくれたけれど、ほんとに大丈夫かな?と思いながら、いつものように痺れる足をマッサージしながら、ゆっくりお湯に入ったり掛け湯をしてなじみのお客さんと話しながら疲れをとつた。

45分の時間前にタオルを巻いて休憩の椅子を見たら、彼女がすでにソファーに座って「あ!見たよー」と笑いながら声を掛けて来た。それから急いで洋服を着た。椅子に座りながら「待たせた」「ううん、今出たところ」
「これ呑むと美味しいよ」温泉をコップに汲んできて呑んだ、ほんのり塩分を感じるほどの無臭の温泉。「あ!美味しい・スゴーイ、美味しい」本当に美味しそうだった。

「これを毎日三度温泉に来て呑んで胃癌がよくなったというお爺さんがいるよ」「へー温泉て良いんだねー」と話していると隣に座って休んでいた70歳を越したかと思われるお爺さんが若いみかちゃんに話しかけてきた。

「温泉は良いなー温泉が一番良い、ところで世の中が悪くなつた、終戦後は人を見たら泥棒と思えと言っていたよ、人は信用したら駄目だよ、まず自分を守ることだよ、今もそうだ、株が上がったと喜んでいる人もいるが、とんでもない、日本はいつ破産するか分からないよ」戦時中のことからこと細かく数字を挙げて話していた。「へー」「へー」とお得意の相槌を打ってみかちゃんは返事をしていた。「人は悪い人ばかりではないと思うよ・・そう思わなければ寂しいよ、良い人と悪い人とをよく見分けなければね」と自分の意見を述べながら少々反論もしながら話を聞いていた。

温泉から大平台の駅まで約5分で着いた。
帰りの電車に乗ると「これ大船の駅に付くまでに詩を書いて、宿題よ!私も書くからね」そう言ってみかちゃんに下書き用のノートと寄木の貼って在る葉書を渡された。
「参ったなー・・こんな策略があったんだ、でも凄いね、とっさに考え付くんだね。企画力が在るんだなー」「うん、今を最高に楽しくしたいよね、と思うんだ」
二人は電車に揺られながら旅の詩人にになってボールペンを握った。
 
/////////////////////////////////////////////////////////////////

 湯上り   みか

ジュースじゃなくて

コーヒーじゃなくて

ビールでもカクテルでもなくて

差し出してくれたのは

なみなみ注がれた人肌の温泉

目じりをたれ下げきって

たれ下げ合って

ブタとペンギンのコップで乾杯

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 登山電車  いのうえ つとむ

ゆっくり ゆっくり
紅葉は散り始め

ゆっくり ゆっくり
枯葉が揺れて

ゆっくり ゆっくり
旅は二人ずれ

ゆっくり ゆっくり
登山電車は走る

ゆっくり ゆっくり
今日の一日

/////////////////////////////////////////////////////////////////

大船駅に下りて、「てんや」で夕食、安くて美味しいからと大船で食べる事にした。
出るとき食事代を渡したら「駄目よ、じゃぁ、このぶん奥さんにお土産
ね」といってケーキを買ってくれた。
「これからも自分のものは自分で持つ、割りかんよ」そう言って決して
おごらせようとしない娘さんである。金銭感覚が綺麗な娘さんである。
葉書に書いた詩を何度も読みながら「凄い宝だ、嬉しい、嬉しい」と喜んでくれた小さな旅であった。楽しい旅であった。

(2005・12・11)
(このエツせーと詩は心の友・みかちゃんに贈る)


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  1. 2005/12/12(月) 06:22:35|
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瞼の母よ

 瞼の母よ いのうえ つとむ

里の山に日が落ちて
見渡す限り夕茜
流れる雲に母の面影
乳をまさぐる乳飲み子の
甘え心を許されよ
ああ!瞼の母よ
今何処

ススキの原に日が落ちて
小川の流れ音静か
瀬音の中に母のささやき
腕白盛り少年の
その我が儘を許されよ
ああ!瞼の母よ
今何処

ビルの谷間に日が落ちて
一番星は輝きぬ
きらめく空に母の眼差し
恋に悩みし青年の
果て無き夢を許されよ
ああ!瞼の母よ
今何処

 (2005・12・10)


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  1. 2005/12/10(土) 03:02:28|
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黒猫と白猫

  いのうえ つとむ

12月にもなるとさすがに朝は寒い、桜の落ち葉は意外と赤いものだとか、銀杏の葉は中々腰が強いとか思いながら、メール便の配達で街路樹の落ち葉を踏み少し奥まった家の前に来た。珍しく奥さんが白い猫を抱いて玄関に出てこられた。「真っ白ですね、可愛いですね」といつものように挨拶をしてから声をかけた。あまりに綺麗で品の良い猫なので「外国の猫ですか」と思わず口にした。「いいえ、日本の猫よ、それも野良ちゃん・・赤ちゃんの時、カラスに突付かれて後ろ足が動かなかったのよ」。よく見ると、なるほど後ろ足を引きずっている。「リハビリしてね、少しよくなって歩けるようになったのよ」。もし男なら貴公子、女ならお姫様、そう思われるほど気品の在る真っ白な猫である。僕が初めて見た交じり毛の無い白い猫だ。外に出たがるので玄関の柱に紐でつないでおくという。前に書いたエッセーの「三毛猫ミー」の鎖につながれた姿を思い出した。「放してしまうと他の猫の病気を移されるからね」「猫にもエイズが在るそうですね」「そうなのよ、猫にもエイズが在るのよ、怖いわねー」と話しながら真っ白な毛並みをなぜてみた。手入れの良い柔らかな毛だ。前の飼い主に捨てられカラスに襲われていたのを、幸運にも今の飼い主に拾われ、恵まれたごくまれな猫だと思う。

夕刊を配達している団地のゴミ置き場でいつも茶色の混じった黒い猫に合う。二ャーと鳴きながら僕の顔を見ると野生の性か垣根に隠れる。一度隠れてから、またでてきて挨拶をする.薄汚い猫だけれど可愛いものだ。言うなれば「猫のホームレス」だ。行動の鈍さを思うと年寄りのように見える。時々中学生の少女が背中をなぜているのを見かけた。在るとき二羽のカラスがこの猫を攻撃していた。僕が近くに寄って脅すとカラスは何くはぬ顔をして少しはなれたところでこちらを見ていた。年老いた黒猫は防戦一方で、もう少し遅ければ大怪我をしていたと思う。カラスの嘴は特に厚く丈夫だから、かなわないだろう。
それにしても最近は「黒猫ホームレス」の姿を見ない。どうしたのだろうか、心配である。元気ならば良いが、これから一層寒くなるのに。

(2005・12・9)
(このエッセーは愛猫家・水島美也子先生に贈る)

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*「三毛猫ミー」は下の(read more)をクリックしてくださいね。
  このエッセーが読めます。



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  1. 2005/12/09(金) 20:04:59|
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◆ 世界がもし100人の村だったら ◆

世界がもし100人の村だったら ◆ 
もし現在の人類統計比率をきちんと盛り込んで
全世界を100人の村に縮小するとどうなるでしょう

その村には…

57人のアジア人
21人のヨーロッパ人
14人の南北アメリカ人
8人のアフリカ人がいます

52人が女性で
48人が男性です

70人が有色人種で
30人が白人

70人がキリスト教以外の人達で
30人がキリスト教

89人が異性愛者で
11人が同性愛者

6人が全世界の富の59%を所有し
その6人ともがアメリカ国籍

80人は標準以下の居住環境に住み
70人は文字が読めません
50人は栄養失調に苦しみ
1人が瀕死の状態にあり
1人は今生まれようとしています

1人は(そうたった1人)は大学の教育を受け
そして1人だけがコンピューターを所有しています

もしこのように縮小された全体図から
私達の世界を見るなら
相手をあるがままに受け容れること
自分と違う人を理解すること
そして そう言う事実を知るための
教育がいかに必要かは
火を見るより明らかです

また次のような視点からもじっくり考えて見ましょう

もしあなたが今朝目が覚めた時
病気でなく健康だなと感じることが出来たなら
…あなたは今週生き残る事のできないであろう
100万人の人たちより 恵まれています

もしあなたが戦いの危険や
投獄される孤独や獄門の苦悩
あるいは飢えの悲痛を
一度も経験したことがないのなら…
あなたは世界の
5億人の人たちより恵まれています

もしあなたがしつこく苦しめられる事や
逮捕や拷問または死の恐怖を感じること無く
教会のミサに行くことが出来るなら…
あなたは世界の
30億人の人たちより恵まれています

もし冷蔵庫に食料があり
着る服があり
頭の上に屋根があり
寝る場所があるなら…
あなたは世界の75%の人たちより
裕福で恵まれています

もし銀行に預金があり
お財布にお金があり
家のどこかに小銭が入った入れ物があるなら…
あなたはこの世界の中で
最も裕福な上位8%のうちの一人です

もしあなたの両親がともに健在で
そして二人がまだ一緒なら
…それはとても稀れ なことです

もしこのメッセ-ジを読む事ができるなら
あなたはこの瞬間2倍の祝福を受けるでしょう
何故ならあなたの事を思って
これを伝えている誰かがいて
その上あなたは全く文字の読めない
世界中の20億の人々より
ずっと恵まれているからです

昔の人がこう言いました
我が身から出るものは
いずれ我が身に戻り来ると

お金に執着することなく喜んで働きましょう
かって一度も傷ついたことがないかのごとく
人を愛しましょう
誰も見ていないかのごとく
自由に踊りましょう
誰も聞いてないかのごとくの
びやかに歌いましょう
あたかもここが地上の天国であるかのように
生きていきましょう

このメッセ-ジを人に伝えて下さい 
そしてその人の一日を照らしてください
※作:K.Leipold  ※訳:なかのひろみ


(この資料を寄せてくれましたハクさんありがとう・自分がどの位置に いるか?・・じっくり考えてみたいと思います)


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  1. 2005/12/09(金) 18:41:44|
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落ち葉の樹の名は

 
  いのうえ つとむ

赤い木の葉は
風に舞う
ふわりフワフワ
風に舞う
ふわりフワフワ
恋の色

黄色い木の葉は
雨に泣く
はらりハラハラ
雨に泣く
はらりハラハラ
片思い

緑の木の葉は
何でしょう
親のお乳が
まだ欲しい
落ち葉になっても
いつまでも

赤色
黄色
緑色
落ち葉の樹の名は
知りません

 (2005・12・9)
(nicoさんのカメラアイに寄せて)


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  1. 2005/12/09(金) 00:35:52|
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黄金の道

 黄金の道  いのうえ つとむ

さらさら さらさら
葉が落ちる
銀杏並木のこの道は
小学生が通う道

さらさら さらさら
葉が落ちる
黄色いお絵かきこの道は
ペダルを踏んで通る道

さらさら さらさら
葉が落ちる
夕日が沈むこの道は
黄金色に光る道

さらさら さらさら
葉が落ちる
母さんが歩いたこの道は
星空に続く金の道

 (2005・12・8)


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  1. 2005/12/08(木) 23:10:45|
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星は輝いて

  星は輝いて  いのうえ つとむ

午前3時 
夜空を眺めた
一番星の金星が
煌々と光り

北斗七星が瞬き
天の川がゆったり流れて
砂金を蒔いたように
空一面に星は輝いていた

遠い星
近い星
何億光年という時を得て
僕の水晶体を突き抜けてきた

今僕は
星を見つめる
「嗚呼!人は何処より来て」
「何処に帰るのだろうか」

古の多くの人々が問い続けた
不思議な命
それを「妙」という
「妙とは蘇生の儀なり」と

ああ!母よ
宇宙の命の泉から
新しい命となって
いつかまた生まれてくるんだね

冬の夜空一面に
星は輝いている

(2005・11・1)


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  1. 2005/12/05(月) 19:38:36|
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冬の空

 冬の空 いのうえ つとむ

冬の空は何処までも透明
白い雲がゆったり流れて

あの欅の大木の梢を見てごらん
網のように小枝が絡み合い

凍てつく空に
根を張っているように

見えるでしょう
見えないかい

ジエット機が航線を引いていく
白いチョウクだ

冬の空は何処までも透明
貴女の心のように

(2005・12・5)
(この詩は冬に生まれた雨さんに贈る)


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  1. 2005/12/05(月) 11:51:45|
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生きて眠るがごとくに

   いのうえ つとむ

美しい顔
母の穏やかな顔
生きて眠るがごとく

静かな
静かな
永久の旅たち

安らかな
お顔に安堵して
誰も涙は出しません

浮世のもろもろの汚れを
小川で子供のオシメを
洗うように

見栄や欲や憎しみや
人生のしがらみを
すっかり洗い流して

感謝と喜びだけを
抱いたように
満足のお顔をしています

兄夫婦や妹の優しい看護に
見守られて
お母さんは旅たった

大好きなお寿司を
「美味しい美味しい」と食べて

あくる朝
倒れたのですね

一ヶ月の病院生活は
きっと辛かったと思うけれど

お母さんの安らかな
穏やかなお顔が

「辛さも苦しさも
 すべて洗い流したよ」と言っている

小川で子供のオシメヲ洗うように

 (2005・12・1)
 (兄夫婦や妹に感謝して)


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  1. 2005/12/04(日) 09:30:23|
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