3月30日10時ごろに古新聞の束ねたのを持って3階から階段を降りた。
「イテテ」左の腋の下に軽い痛みを感じた。
しばらくは軽い痛みだったが12時ごろ左の胸全体が締め付けられるような痛みと変わった。
それでも配達の仕事に行こうと自転車に乗ってみたが痛くて仕事どころではなかった。
「ヤバイ」心臓かもしれない。
部屋に帰ってメール便の事務所と新聞店に休ませていただくように連絡を取った。
『救急車』と思ったが・・まず娘に連絡をしてからと思い娘に話した。
「心臓は左だったよなー」
「そうだよ左だよ」
「これから病院へ連れて行ってくれない」
「今すぐ行くから待ってて」
しばらくして孫娘を2人連れて迎に来てくれた。
「おじいちゃん大丈夫、鞄を持つよ」と4年生になる美穂ちゃんが鞄を持ってくれた。
一歳になったばかりの真穂ちゃんは寝起きで大泣きだ。
車の中から病院に携帯電話で体の状態を話した。
病院に着いて案内された救急治療室に入った。
「井上さんですか」看護士さんが入り口でカルテを持って待っていてくれた。
「心電図を撮りますからベットに寝てくださいね」
「最初に此れを書いてね」
氏名、生年月日、今の状態と過去にかかった病気とかアレルギーとかその他いろいろと書き込んだ。
熱を測ったが36度5分で平熱。
血圧を測り「少し血圧が高めですね」と看護士さんが言った。
「はい少し高めです」
「血圧の薬を飲んでいるけれど薬の名前なんだったけ」度忘れで薬の名が浮かばなかった。
「大丈夫ですよ分らなくても」
今度は両手両足にコードをつなぎ心電図を測った。
「井上さんこちらに来て下さい」と言われ医師の前に座った。
「胃のESDで4月8日に入院します」
カルテを見ながら先生は「そのようですね」
「ここが響きますか」と左胸を軽く撫ぜた。
「響くようなら骨かもしれないね」
「先生、何もしなくても痛いです」
「とにかくレントゲンを撮ってみましょうね」
「レントゲン室は知っていますか」と看護士さんから聞かれた。
「いやー・分りません」前に入ったことがあるが痛くてそう答えてしまった。
「螺旋階段を上がって2階ですよ」
「痛いー」とつぶやいたら
「痛いですか・・フイルムが出来上がったらここに持って来てね」
レントゲン撮影が終わってレントゲン技師が
「出来上がったら呼びますから廊下で待っていてください」と言われたが
小便が今にも漏れそう。
「すみません、トイレに行きたいのですが」息を殺して小便をこらえていた。
「トイレはわかりますか」
「はい」
急いで用を足してきた。
フイルムを受け取り診察室に自分のフイルムを持って行くと
受け取りながら看護士さんに
「今度は血液の検査をしますね」と言われた。
「消毒しますがアルコールは大丈夫ですか」
そうして注射器が赤く染まっていった。
「血液検査の結果が分るまで奥のベットで休んでいてくださいね」
しばらくベットで休みながらカーテン越しに聞こえてくる隣の患者さんの話し声を聞いていた。
急患の6人ほどがベットに横たわっていた。
再度呼ばれて医師の前に座った。
「狭心症も心筋梗塞も心配はありませんよ」先生はフィルムを見ながら
「骨にも異常は無いし、胸も綺麗ですよ」
「痛み止めと湿布を出しておきますから、明日も痛かったら午前中に整形外科に来てください」
それを聞いて「良かったー・・心臓でなくて」と思わずつぶやいた。
「良かったですねー」と看護士さんが言ってくれ目が合った。
看護士さんの目も笑っていた。
それから6日間胸が痛くて寝たきり老人になった。
「休め!」
「体を休めなさい」との天の教えかも。
(2009・4・4)
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