雪椿 いのうえ つとむ
相模川の曲がりくねった流れが銀色の帯のように、
雑木山の枝の間からぎらぎらと輝いて見えた。
川の上流は、川沿いに山の樹が覆い茂り、
小鳥のさえずりが心地よく、澄みきった空気を吸いながら細い山道を散歩した。
メジロ、鶯、ひよどり、山雀、四十雀、コガラ、啄木鳥と秋から冬、
そして春、夏と四季を通じて小鳥たちの合唱で飽きることはなかった。
冬になると木の葉が舞い上り
金色の小鳥が一斉に飛び立つような壮観な風景だった。
とりわけ真っ白な雪景色に心は奪われ、
雪道を立ち止まりながら歩いた。
濃い緑色の椿の葉が雪を背負っていて、
椿の花がそっと顔を覗かせていた。
椿の花は、白無垢の花嫁が恥らうように、
控えめに咲いていた。
時折風が吹いたり、ひよどりが来て枝を揺すると、
ばさ、ばさ、と音を立て、雪が落ちた。
ひよどりの叫ぶような声とその雪の落ちる音が、
・・聴こえて来る。
雪椿の
真っ赤な口紅を想い出しながら
(2006・2・10)
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- 2006/02/10(金) 00:05:24|
- 私のうた|
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コメント:4
自然詩人の・かぜくささんに・お褒めをいただいて光栄です・・ここのところ疲れがひどく・・詩の泉も枯れがちです・・相模原での思い出をありのままに・・つなぎに書いたものです・・ありがとうございます。
- 2006/02/09(木) 19:17:08 |
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- でんどう三輪車 #-
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ここのところ・・疲れが出て・・足がしびれるんだよね・・老化は足から来るというけれど・・後・何年働けるかね?・・まああ・・動けるということは幸せですね・・足さんもう少し頑張ってや!・・と足に激励を飛ばしているところです・・雪は良いね・・椿も藪椿のような改良されない原種に近いのが好きです・・綺麗な種類がものすごくありますね・・雪のときに日本に里帰りしなさい・・そのときはご連絡を下さいね・・ドロシーさんにお会いしたいから。
- 2006/02/09(木) 19:09:51 |
- URL |
- でんどう三輪車 #-
- [ 編集]
こんにちは♪
雪椿の詩、初めから終わりまで、鮮やかに情景が伝わってきます。
景色の中に息づく鳥の姿もいいですね~。
いい詩を読ませていただき、ありがとうございます!
- 2006/02/09(木) 14:34:04 |
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- かぜくさ #3fIBvpkA
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